第2章 待っているだけじゃ始まらない恋
「で、松川の方はどうするの?付き合うの?」
『うーん……どうしよ。
今回のこともそうだけど他にもいろいろ相談乗ってくれてり、勉強教えてくれてたんだよね。それに優しいし、何かと気使ってくれたし。告白された時もびっくりしたけど嫌じゃなかったんでよね。……って由紀?』
正直に自分の気持ちを話していると、"何言ってんだ、こいつ"の様な顔で私を見ていた。
「夜海ってどんだけ鈍いの!?それ、完全に好意あるじゃん!!」
あまりにもいきなり大声をあげるものだから私は肩をビックとして驚いた。
『えっ!?でもでも、松川は誰にも優しいじゃん?私だけ特別ってことは無いんじゃない?』
「はぁ………なんか松川が可哀想。」
私がそう言うと、由紀はため息をついて呆れ呆れ言った。
『な、なんでよ?!』
「とにかく!付き合うにしろ、断るにしろ、ちゃんと返事しなちゃダメだよ!」
由紀は私の問を無視し、言ってきた。
しかも、必死さが伝わるぐらいの言い方で。
『わ、わかったからちょっと落ち着いて!?』
「もーせっかく夜海と恋バナ出来たのに、夜海鈍感すぎるんだもん〜。どうせ、今まで花巻のことしか考えてなかったんでしょー?」
『な、なんでわかるの??!』
あっさり、私の心を見破られて驚いた。
今まで1度も恋の話してなんてしてなかったし、貴大の事もただの幼馴染みとしてしか由紀には話してなかったから。
「想像つくもん!これ、女の勘!」
『そ、そうですか…。』
自信満々に言う由紀に私は何も言えなかった。