第2章 待っているだけじゃ始まらない恋
「えっ!?花巻に彼女が出来て、松川に告られたー?!」
由紀は驚きのあまり、箸で掴んでいた卵焼きをポトンと弁当箱に落とした。
『ちょっと、声大きい!』
屋上で食べていて周りには誰もいないから良かったけど、
「ごめん、ごめん。……でも意外だな…。私はてっきり夜海と花巻が付き合うのばかり思ってたから。」
『え?そうなの?』
「まぁー日頃の2人見てるとね。付き合ってないのは知ってたけど、お互い好きなんだろうなーとは思ってたよ。…でもまさか花巻が他の女子と付き合うとは…。」
意外そうな顔をしてイチゴ牛乳を飲む由紀。
そんなの、私が1番望んでし、1番驚いた…。
『しょうがないよ、貴大は私なんかただの幼馴染みとか思ってなかったってことだもん。』
「夜海…。」
『でも、もういいんだ!昨日はさ、凄くショックで現実を受け入れなかったけど、今はなんかずっと悩んでたことが解決した感じでスッキリしたから。』
これは本当。昨日は辛くてわけが分かんなくて、泣いた。
でも朝になると気持ちが楽になった気がした。
「夜海がそれでいいならいいけど、なんかあったら言っけてね?」
『ありがとう、由紀』
優しくそう言ってくれる由紀が本当心強くて話してよかったと思った。