第2章 待っているだけじゃ始まらない恋
『……ありがとう……。少し元気出てきた。』
涙をきれいに拭いて、軽く笑う。
「そりゃ良かった。」
それを見た松川も少し安心したようだった。
本当ありがたい。いろいろ相談なってくれて、今みたいに私が悲しんでいると最後まで話聞いてくれて、泣き止むまでそばに居てくれてる。
良い友達が出来たと心から思った。
『……松川もごめんね、相談とかアドバイスして、告白するチャンスもくれたのに……無駄になっちゃったね。』
「……じゃーさ。そのチャンス俺にくれない?」
『え?』
その意味が最初はわからなかった。
けど……。
「俺さ……夜海が好きなんだ。」
『………え。』
突然の告白。
さっきまで大切で優しい友達と思っていた人からの告白。
私は頭が付いていかず、言葉が出てこなかった。
「お前のとずっと好きだったんだけど、俺は夜海が幸せになればそれでいいって思ってた。それが花巻ならそれでいいって。……けど、もしチャンスが俺にもあるなら、俺はお前を絶幸せする。」
真剣な顔つきて言うことから、嘘とか冗談ではない事はすぐにわかった。
『……えっと……え?……ごめん、なんか混乱して…。』
「ま、そうだろうな……。とりあえずゆっくり考えて?俺はいつでも待ってるから。」
松川は動揺している私に優しく笑いかける。
「あ、それじゃ寒いだろ」
そう言って自分の巻いていたマフラーを取ると私の首に巻いてくれた。
「じゃ、またな。気ィつけて帰れよ。」
軽く手を振って帰る松川に私は何も言えずに、ただ背中を見つめていた。