第2章 待っているだけじゃ始まらない恋
「そっか、彼女出来たんだアイツ。」
近くの公園のベンチに座って少し落ち着いた私はさっきあった出来事を全て話した。
『うん、しかも昨日とかタイミング悪すぎ………プレゼントがマフラーとか被ってるし…。それにあっちは手作りだし、勝ち目ないよ………。』
「………。」
『……馬鹿だよね私。…自惚れて、勝手に期待しちゃってさ………。
いざ、告ろうとしたら、もう手遅れで……本当自分が恥ずかして嫌になる…。』
「そんな事ねーって」
思い出してまた泣きそうになると松川はそう言ってくれた。
『あるよそんな事……。だって告白もせずにフラれたんだよ?』
「………かも…な。……でも、夜海は頑張ったよ。」
『…え?…私何もしてないよ。』
「してたじゃん、必死にプレゼント選んで、今の関係が壊れるかもしれないのに、勇気出して告白する決意して、フラれても笑って"おめでとう"言ってきたんだろ?
スゲー頑張ったじゃん。」
ポンポンと私の頭を撫でた。
それがすごく優しい気がして心が和らいだ。
無駄なことをしたと思っていたのが、無駄じゃなかったって言われたようで、少し嬉しかった。