第2章 待っているだけじゃ始まらない恋
『すいません、よそ見してて…。』
私は慌てて頭を下げて謝る。
「いや、こっちこそ………って夜海?」
聞き覚えのあるその声に顔を上げるとそこに居たのは松川だった。
『松川………。なんでこんな所に……。』
「ちょっと用事あってさ。つーかそっちこそどうしたんだよ。花巻に告るから、アイツ家行ったじゃねーの?」
『……うぅっ……。』
私の貴大への気持ちを唯一知っている松川の声がすごく優しく聞こえて、思いが込み上げて、私は松川の胸に抱きついて泣いた。
涙は流しても流して溢れでた。
松川は最初びっくり様だったけど、
優しく背中を摩ってくれた。