第2章 待っているだけじゃ始まらない恋
部活を終えて、一旦家に帰ってから着替えて、貴大がいつも帰ってくる時間を見て向かった。
「おつかれ、夜海」
インターホンを押すとすぐに貴大が出てきた。
『おつかれ、こんな時間まで練習なんて相変わらずバレー部はハードだね。』
「まぁーな。とりあえず入れよ。」
貴大にそう言われ、緊張が悟られないように、私は家の中に入った。
『うん、お邪魔しまーす。』
貴大の家に入ると、丸いローテーブルに向かい合って座った。
これがいつものポジション。
いつもならそのうち、ベットやカーペットに転がって漫画を読んだりするけど、今の私にはそんなことする気も起きなかった。
「ってか、やっぱお前今日元気無くね?大丈夫か?」
貴大は座るなり、またそう聞いてきた。
本当に私のこと見てるんだなーと思う反面、だったら私の今の気持ち気づいてよって思った。
『へ、平気だって!朝も言ったでしょ、ただの寝不足。』
「まぁ、それなら良いけど。あんまり無理すんなよ。」
そういう事優しい言葉を言われると胸が苦しくなる。
早く告白して楽になりたいと。
「あ、そうそう話って何?」
『い、いいよ!貴大からで!』
けど、私はここまで来てもまだ、勇気が出なくて、先伸ばそうと貴大の話を先に聞こうとした。
「そう?実はさ………。」