第2章 待っているだけじゃ始まらない恋
「あれ?無自覚?それとも気づかれてないとか?」
『いや、っていうか、本当何で松川が知ってるの!?私、話したっけ?!』
注意されたばかりなので、小声で慌てて聞く。
「あー自覚はある方ね。
いや、普段のお前見てれば分かるって。」
『うぅっ…。マジで?』
松川にそう言われ、恥ずかしくなる。
そんなに私わかりやすい行動とかしてたっけな……。
「マジで。で、どうなの?告らないの?」
『んーー……。告りたいんだけど、もう貴大とは長い付き合いだからなんか言いにくくて。』
初めて、こんなこと相談する。
ずっと誰にも話さなかったから。
「もし、フラれて今の関係が壊れるのが怖いとか?」
『かなー。』
「でも好きなんだろ?お前ら仲いいんだから確率は高いんじゃねーの?」
『そーなんだけど。100%じゃないじゃん。』
「告白に100%なんてねーよ。みんな勇気振り絞って告って、付き合ったりフラれたりしんてんだから。」
『そうだよねー。……待ってるだけじゃダメだよねー。』
最初はなんで知ってるのかとビックリしていたけど、話しているうちに気持ちが楽になった。
ホントはずっと誰かに相談したかったのかもしれない。
その相手が松川で本当良かったって思った。
「だろ?相談なら俺が乗ってやるし。頑張ってみれば?丁度今月末は花巻の誕生日だし。」
その提案に私はついに告ることを決断した。
『うん、前向きに考えてみる。
…ってかなんで松川がそんなに協力してくれるの?』
「さー?何ででしょー?」
『えー。なにそれー?』
結局、松川なんでそんなに話聞いてくれたり、協力してくれるかは謎のままになった。