第2章 待っているだけじゃ始まらない恋
翌日
「おーい夜海、今日俺達の図書当番だぞー?」
HRが終わって、荷物をまとめていると教室のドアからもうひとりのバレー部員の松川がそう私に声をかけてきた。
『あ、忘れてた!ごめん由紀、今日部活間に合ったら行くね!』
「うん、わかったー!図書当番頑張ってね!」
私は隣にいた由紀に言って松川の元へ行った。
『あー、もうー何で図書委員ってこんなに大変なの?』
本の整理に、貸し借りがあった本のチェック、新しく入った本の宣伝。
しかも、HR終了から5時半までとか、
ほとんど部活出来ないし…。
『もっと図書委員って本借りたり返しに来る人の対応だけしてればいいと思ってたのに……これじゃのんびり出来ない…。』
「お前、のんびりするために図書委員会に入ったの?
…仕方ないだろ?うちの学校、無駄に図書室広いし、本の数も結構あるし、使う生徒も多いんだから。」
正論なことを言う松川。
『そーだけどさー。あーやっとチェック終わったー。』
「おつかれー。つーかさ、夜海さー。」
ぐいーと
背中を伸ばすと、松川が隣に座って言う。
『ん?』
「いつ、花巻に告るの?」
その瞬間私の頭は思考停止した。
え?今なって言ったんだっけ?
"花巻に告るの?"それって"貴大に告るの?"って意味だよね??
『……はっ?!はぁーー?!な、何言ってんの?!』
え?なんで松川がそんなこと言うの?
ってかなんで私が貴大のこと好きだって知ってんの???
私誰にも言ってないのに!
先「ちょっとそこ、図書委員でしょ?!静かにしなさい!」
つい、大声で叫んでしまい、図書委員主任の宮田先生に怒られてしまった。
『す、すいません!』