第6章 春と新しい日々
「へーいい所あるじゃん、ってかいい事しかしてなくない?」
『本当それな…。』
美術室に来て、既には始まって作品を描いている部員の中に入り、描きながら由紀に今あったことを話した。
「夜海、一生松川に頭上がらないんじゃない?」
『まじで、それ思うー。
だから、松川が何か困ってたことあったら助けようと思うんだけど…』
と、拳を握りしめて、誓うものの…。
「ふーん。でも、それ無理じゃない?」
即、由紀に言われた。
『うん、あっちはなんでもそつなくこなすから、助けたり手伝うことがない…。』
(なんでも出来すぎて、こっちは、少し惨めになりそうだ。貴大なら、文系の勉強とか、いろいろ言えることあるんだけどなー。)
「あはは、ドンマイー。」
由紀はポンと方を叩いた。
その手が無駄に重い気がして落としている私の肩が余計重く感じだ。
「あ、でも、この話花巻には絶対話さない方がいいからね!!?」
はっと思い出したかのように由紀が言ってきた。
『え!?』
「だって〜自分が彼氏なのに他の男子の話なんて聞きたくないでしょ〜普通。いくらそれが仲のいい人でも!」
『そっかーそうだよね。』
由紀に忠告されて、少し納得して頷く。
「ってか言うつもりだったの?…言っといてよかった…。花巻が傷つく前にー。」
『うぅ…すいません…。』