第6章 春と新しい日々
電車を降り、二人っきりになる。
『そう言えばバレー部も新入部員入ったんでしょ?どお、良さそうな子いた?』
だいぶ落ち着いた夜海がそう聞いてきた。
「まぁーそうだな…、まだ初日だし、チームに入れて様子みて見ないとハッキリとは言えないけど、数人はいたな。あと毎年のことだけど北一出身が多いな。」
『北一って及川とか岩泉もだよね、どんだけ強いのその中学…。』
「だよなー。…そっちはどんなだよ。新入部員。」
『うちは、とりあえず3人入ったよ、今日は好きな絵を描いてもらったかなー。皆個性があっていい絵描くんだ。』
部長になるのは嫌だけど絵を描くことや美術部は好きみたいで嬉しそうに話した。
「そっか、良かったな。」
『うん!……あ、着いちゃった。楽しいと早く着いちゃうよねー。』
さり気ない夜海の一言に胸が高鳴る。
「だなー、まぁ明日も学校あるんだし、それに会おうと思えばいつでも会えるだろ。」
『そうだよね!今までもそうだったしね!!』
冷静を保って言うと嬉しそうに笑う顔にさらに高鳴った。
(本当、無意識かよ…心臓に悪い。)