第6章 春と新しい日々
「主将になった?!夜海が?!」
正直驚いた。
人を引っ張って行くようなことが苦手で大勢の前で話すのが嫌いな夜海が部長になるなんて…。
『やりたくて、なったんじゃないもん!………先生がぁ。』
話によると
今美術部にいる3年は夜海と由紀を含めて5人。
男子1人に女子4人。
その中で賞を取ったことがあるのは夜海と由紀、
男子1人らしい。
実力もあって、主将として部員をまとめたりできる人となると、男子の方は少し静かで、1人で黙々と作業してる事が多く、由紀は明るいけど忘れ物をしたり、成績も少し悪いせいで補習とかで部活に遅れることもあると却下。
自然と夜海に決まるわけだそうだ。
顧問も夜海を最初から推薦していて、仕方なく主将を務めることになったみたいだ。
「ま、まぁ主将って言ってもそんな難しいことないだろ、大丈夫だって。」
『でも、生徒会総会とか、月1の生徒会と主将、委員長で集まる会議とかあるじゃん…ああいう所で喋ったりするの苦手なのに……。』
「あーそういえば、そうだったな…。」
『もう、やだ……今から胃が痛い…。』
「おいおい、大丈夫かよ。」
「バレー部は誰になったの……って聞くまでもないか…。」
「夜海ちゃん、俺もそうだから頼っていいよー。困ったことがあったら助けてあげらから!」
『えー余計不安になるー。』
「ひどいなー。俺、こういうの得意だよ?」
『まぁー知ってる人がいるだけましか…。』
仕方ないと思ってるものの、やりたくないと思うのもあるようで、夜海は深いため息をした。
その後もみんなで夜海を励まし、慰めながら下校した。