第6章 春と新しい日々
夜、部屋にいるとスマホが鳴った。
見ると石川からだった。
〈なんだ、石川か。珍しいな。〉
〈なんだとは失礼だなー。結構迷ったんだよ電話。〉
石川とはLINEは交換はしていたけど、連絡はほとんどしていない。学校に行けば話せるし、そもそも俺と石川の共通する話題がなかったわけで、最初間違えたのかと思った。
〈悪い悪い。で、なんか用?〉
〈あ、うん。……〉
石川は少し言いづらそう位話し出した。
〈夜海から聞いたの。松川と別れて花巻と付き合ったって。〉
〈あーそれね。別に俺は気にしてないなら。〉
〈嘘だよね、それ。〉
〈え。〉
〈見てればわかる、松川夜海とこ本当好きだったんだなーって。そんなに好きな人を自分から別れてなんとも無いわけないじゃん。そしたらなんか気になっちって。…夜海も気にしてる感じでさ、でもなんて声をかければ良いからわからないみたいで…だから……。〉
石川はまるで俺の心を見透かしたように話し、心配してくれていた。
〈ありがとう、石川。〉
〈へ!〉
〈石川にそう言ってもらえて、少し楽になった。
本当は少し落ち込んてんだ、俺。〉
〈……うん。〉
〈でも、ちゃんと俺のことわかってくれてる人がいるってわかって良かった。サンキューな。〉
〈別にお礼言われるほどじゃないよ。…じゃあまた学校でね。〉
〈あぁ、またな。〉
それで、電話を切った。
石川のおかげで心が楽になった。
それからで学校が始まり、登校してると由紀と会った。
電話の事もあって、何となく一緒に学校に向こうことになり今に至る。