第4章 蒼き竜と虎の娘④~誓い~
「単刀直入に言うわ。私は、あなたの元へ行きたい」
この想いは、叶わないと思ってた。
でも、あなたは手を伸べてくれた。
だから私は、その手をとって
愛しいあなたの元で、生きたい。
そう、告げた瞬間。
ぐっと引き寄せられて、強く、強く抱きしめられた。
「……何があっても、必ず護る。お前がこの手をとったこと、絶対に後悔させたりしない」
少し震えた、熱い吐息が耳をくすぐって。
思わず、涙が零れそうになる。
「…俺は、ゆきが背負おうてしているものを、理解しているつもりだ。だから、一人で背負おうと思うな。俺が、一緒に背負う。…お前の武田を思う気持ちも、武田の連中がお前を思う気持ちも。全部、一緒に背負おう」
「…まさ、むね…っ」
ぎゅうっと、きつく抱き寄せられて。
私の頬を両手で優しく包みながら、涙がにじんだ目尻にひとつ、口付けを落として。
真っ直ぐに、見つめられた。
「…ゆきに、これを見て欲しい」
何をと問う前に、政宗は私に座ったまま背を向けて。
するりと浴衣が落ちて、政宗の背が目の前にあらわになる。
「…!!」
そこには、見事な蒼い竜の刺青が彫られていた。
その美しさに、迫力に。
思わず、息をのむ。