第1章 君が一番【ジャッカル桑原】
「んだよ!自分で食べようとしてたじゃんかよぃ!」
「だからってなんであんたが食べていい理由になんのよ!」
「別にいいだろぃ!」
「よくない!しんじらんない!」
「渡したいやつでもいたのかよ!」
「………」
ジャッカルの顔が浮かんで消える。
お前のせいだ、ばか。
ジャッカルが女友達多いのもジャッカルが私の想いに気づかないのもジャッカルが貧乏くじ引いてるのも、全部全部…
「うぇ!?お、おい、悪かったって」
いつの間にか溢れてた涙と、ブン太が悪いという思いとブン太が悪いわけじゃないという思いと、もう色々溢れた。
私の涙に混乱しているブン太の顔を見て叫ぶ。
「ブン太のバカ!」
出た言葉に自分自身も驚いてこの場から逃げたくなり走り出す。
とりあえず教室から出て、屋上を目指す途中、他クラスの女子と話してるジャッカルと目があった。少し驚いた顔をしたジャッカルにもっといたたまれたくなり、ひたすら全速力で走った。