第1章 君が一番【ジャッカル桑原】
屋上の重い扉を開けるとちょうど昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。
あぁ、午後の授業サボりになる…
そんなことを思いながらも止まらない涙を拭って冷たいコンクリートに膝をつける。
走ったことで息が上がり、嗚咽もあり、すごく苦しかった。
「ジャッ…カゥの…バァ、カ…」
バカは私だ。
早くブン太に謝んなきゃ。
そう思っても涙は止まらない。
苦しい…
どうしよう…
バンッと大きな音を立て屋上の扉が開く。
「ブ…タァ?」
ブン太が追いかけて来てくれたのかと思いきや、見えたのは黒い肌で
「…はぁ…悪りぃな。ブン太じゃなくて」
ジャッカルだった。