第4章 熱と憂鬱【亜久津 仁】
「…どうしたの?
白菜がなんとか…って」
「ああ…!なんでもないよ!
それより、久しぶりだね!」
「そうだね!
…ねぇ、本当に…どうかした?」
「え…?」
「泣きそうな顔してるよ?」
「…!!」
いつもタカちゃんは私の味方で、仁と私が喧嘩すると女の子には優しくしなきゃダメだよって仁を叱ってくれてた。
私は優しい幼馴染と意地悪だけど頼りになる幼馴染と、どちらも大事だった。離れて行って欲しくはなかった。
「…2人は…」
私、何言う気だろう。
もう、転んでるのに。
もう、2人は見えないのに。
「夢子ちゃん?」
「…!やっぱなんでもない!」
「でも、…!?亜久津ッ!?」