第2章 オモイオモワレフリフラレ【柳 蓮二】
「柳。」
「…」
「ねぇ、やなっ!!」
「かつての同級生が不倫しているという事実について、俺は、正直どうでもいい。
不倫していようがしてまいが、俺は俺で、お前はお前だ。そして俺たちは友人だ。それに変わりがないのであればお前がどうしてようとなんだろうとどうでもいい。
ただ、願わくば、俺がお前を幸せにしたい。」
「…へ」
「俺はお前が、夢子が好きだ。
自分に得がないのに、他人の話を淡々と聞くわけないだろう。」
人通りの少ない、暗い道の真ん中で、向かい合って肩を持たれた状態で、私は何を言われているのか理解がついていかなかった。でも、わかることもある。私は柳の気持ちをどこかでわかっていて、利用していたのかもしれないということ。奴のことをとやかく言えた口ではないこと。
でも、今柳を離したらもう、触れることさえできない気がした。