第2章 オモイオモワレフリフラレ【柳 蓮二】
「こんなとこで会うなんてびっくりだな!
こちらの方は、…彼氏?」
そんなのわかってるくせに。
私がそんな器用なことできないことも、私が1人に夢中で、奴の声、奴の表情、奴の仕草、奴の行動、全てに振り回されてるってわかってるくせに
ずるい
「ええ、いつも夢子がお世話になってるみたいで。あぁ、柳と申します。」
「え、ああ、上司の坂本です」
「ああ、あなたが坂本さん。いつも夢子から話は聞いています。ご挨拶できればと思っていたところです。」
わけがわからず混乱している私を置いて、柳は奴と話を進めている。
奴がチラチラとこちらを見てくるが私は柳の行動が読めず声が出ない。
「それでは」
と一言残し、柳がちょうどのお金を支払い、私の手を取り店を出る。
なんだか少し怒っているようで怖かった。