第2章 オモイオモワレフリフラレ【柳 蓮二】
私が泣き止んだところで、お冷を勧められ勢いよく流し込む。
涙として出た分の水分を補給したところで柳が店員を呼ぶ。
「お会計お願いします。」
時計を見ればまだ夜10時。
「もういいだろう。帰ろう。」
「え、だってまだ」
「ケータイ」
「え?」
柳に指を差され、見たケータイのディスプレイには奴からのメッセージを知らせる通知が写っていた。
『今、居酒屋いる?
夢子っぽい子が見えて』
「え…なん、まじか…」
「先ほど入った団体の1人がお前のことをじっと見ていた。ついでに言うと、社名も聞こえた。だからもしかして、と思ってな。」
「…すごいねー柳。飲んでてもそーゆーの鋭いとか…」
『少し話せる?』
「…っ」
「夢子」
「帰ろう柳。
大丈夫。帰ろう」
「…わかった」