第2章 オモイオモワレフリフラレ【柳 蓮二】
無言で私の話を聞き続ける柳に対し、私はただただ言葉を吐き出す。
「もう終わりにしたいって私も思う時あるけど、でも、それでも時々、今の関係でもいいからって…
でも最近は、終わりにしようって思う時が多いかな…
もう終わりにしようかな…」
「するかしないかではなくて、できるかできないか、だろう?」
顔を上げ、柳を少し睨む。
「そーですね…
柳はどう思う?」
「何に対してだ?」
「かつての同級生が不倫しているという事実について」
ふむ、と普段私の使うことのない相槌を打ち、少し眉を寄せる柳。
柳は優しいから言っていいことか、傷つけはしないかって考えてるんだろーな…と思うと、お酒が入ったせいか涙がボロボロと溢れてきた。
「夢子?」
「私、もうやだぁ…
こんなに悩むのも、傷つくのも、柳に頼るのも、もう全部全部…」
テーブルに突っ伏した私の頭を遠慮がちに撫でる。
柳はきっと呆れて少し笑ってるはずだ。