第1章 君が一番【ジャッカル桑原】
少し上がった息を落ち着かせるように私の隣に座り込む。
そして、そっと肩に手を回してポンポンと叩いてくれる。
安心して少しずつ息が落ち着いてくる。
「平気だよ。ブン太も悪かったと思ってる。ちゃんと謝ればわかってくれる。」
「うん…」
「本当はブン太にあげたかったんじゃねえの?」
少し気まずい顔をしたジャッカルの顔を見上げ、目が合うとまた涙が溢れてくる。
「違うぅ〜〜〜〜〜!!」
「え、ご、ごめん。あ、自分で食べたかったのか!?」
焦ってるそう言うジャッカルを他所に、あぁ、本当に脈がないんだなーなんて頭では冷静に思う。
「…ヒッ…ジャッカルゥ」
少し頭を傾げてこちらを見るジャッカルはかっこよすぎて殴りたくなった。
「…だっこ。」
どうせ叶わないなら今の状況を利用して甘えようと手を伸ばす。
ため息を一つ付き、足を開いて、ほら、と手を伸ばしてくれる。
前から行くのは恥ずかしすぎるのでいそいそと背中からジャッカルの足の間に入り座る。
ジャッカルの体にもたれかかりジャッカルの腕を自分で体に巻きつける。
「私ね…ジャッカルにあげようと思ってたの」