第6章 演技って大変……
ノートにはたくさんの単語が至る所に散りばめられて書かれていた。
「この単語は?」
「俺が恋した時の感情とかを言葉に表してみたんだ。こうやって書いとけば使えるし、これ見て思い出すんだ。」
「今はどこまで出来てるんですか?」
「とりあえずサビの部分は同じようなリズムになる様に文字数合わせたり、1番伝えたいことをまとめてみた。」
その後、話が進み前半の方は大体完成した。
意見を出し合って、訂正し直したり。
少しずつだけど、会話が増えていって楽しくなって……
もっとこの時間が続けば良いのにって思った。
「出来ましたね!凄くいいと思います!」
「まだ半分だけどな。」
「そうですね。けど、僕はこの前半部分結構好きですよ?凄く主人公の思いとか詰まってる感じかして……他の人が聴いたら惚れちゃうかもですね(笑)」
僕は裕斗君に笑顔で話していた。
無意識に。
楽しすぎてかもしれない。
「瑞希……」
裕斗君は僕の手を握り顔を近づけてきた。
そして、唇に柔らかな裕斗君の唇が重なった。
「っ////」
「……っ!すまん……////」
裕斗君とのキスは2回目。
全然嫌じゃない。
僕は裕斗君の首に両腕を回す。
「……いいです……構いませんよ。」
「っお前……分かってるのか?俺はお前の事……」
「分かってます……」
次は僕からキスした。
僕は最低だ。
人の弱味につけ込んで……
裕斗君は必死に諦めようとしているのに……
でも、自分の感情には勝てないんだよ。
そのまま僕は後ろに倒れ、裕斗君から押し倒されたような格好に自らなる。
僕眠いんだ。
人は夜になると冷静な判断が出来なくなると聞く。
たぶん、それだ。