第6章 演技って大変……
「裕斗君……僕……」
もう言っちゃえ……
このまま裕斗君に想いが伝わらずに終っちゃうなんてやだ。
今の夜のテンションなら言える。
朝になればきっと裕斗君も夜だったから分からなくなってただけだろって思ってくれるはず。
「僕ね……裕斗君が……」
好きなんです……
そう言いかけたとき……
「たっだいまー!」
玄関の開く音がした。
「おい、圭。夜遅いんだ。考えろ。」
「圭って体力って物が無くならないの?俺、疲れたんだけど。」
「ごめん、ごめん。」
真広君達が帰ってきたんだ。
やばい……どうする……
この状況……
しかも2階に上がってきてるし!!
「瑞希?今なんて言おうとしたんだ?」
「えーっと……あれ?なんだったけなー?忘れちゃった(汗)もう遅いんで、お風呂入ってきますね!あはは」
僕は慌てて裕斗君の下から這い出て風呂場に向かった。
「あれ?瑞希。起きてたの?」
「あ、おかえりなさい。ちょっと寝ちゃってて。今からお風呂に入ってきます!」
「ふぅーん。いってらー。」
僕は圭君たちの横を抜けてお風呂場に向かった。