第12章 パズルピース
瑞希side
「裕斗君、久しぶりだね。」
「そうだな。」
収録が終わり、二人きりになって話していた。
「・・・裕斗君、恋人できた?」
「いや・・・いねぇよ。」
「そっか・・・」
「お前は?」
「いないよ。」
なんだろう。
少し気まずいかも。
「俺、告白されたけど、やっぱり瑞希の事が忘れられなくて全部断ったんだ。次、会うことが出来たらまた言おうと思って、この日を待ってた。」
すると、裕斗君は僕の手を握った。
「俺とまた寄りを戻してくれないか?」
その言葉が凄く嬉しくて、
「うん。よろしくお願いします。」
すぐにそう答えた。
それから、何日も経って、復帰コンサートを開いた。
チケットは即完売。
「俺達がー」
「「「「「star piece!」」」」」
そう言って、歓声の響くステージへ飛び出た。
この景色がまた見れる日が来るなんて・・・
よし・・・大丈夫。
あの時の僕とはもう違う。
大人になったんだ。
後悔なんてしないし、させない。
一人一人がパズルのピースとなって、たった一つの僕らの絵を完成させるんだ。
僕らの物語はまだまだ続く_____
「皆!行くよー!!せーの!」
『START!』
~END〜