第6章 演技って大変……
う、うーん……
あれ?
僕寝てた!?
慌てて起き上がると額から湿ったタオルが落ちてきた。
ベッドの上で寝ていたのか……
「大丈夫か?急に鼻血出して倒れたからベッドに運んだんだが……」
ここは僕の部屋で……
裕斗君は僕のテーブル使って何か書き物をしていた。
もしかして、ずっと見てくれてたのかな……
じゃあ、このタオルも冷やすために……
「わあぁぁぁ!裕斗君ごめんなさぁぁい!自分からお願いしておいて倒れるとか……!!」
しかも鼻血出したとか……
僕は必死に裕斗君に土下座した。
「……体調は……大丈夫そうだな……」
「おかげさまで……」
まさか裕斗君がカッコよすぎて鼻血が出てしまいましたとか言えない……
「俺も勝手にテーブル使わせてもらった。すまん。」
「いやいや!そんなのは全然構いません!!どんどん使ってください!!」
「どんどん?……」
ベッド近くの時計を見るともう夜中の12時を回りそうだった。
「こんな時間まで何してるんですか?」
「あー……さっき言ってた歌詞のやつ。」