第5章 好きなんだ
裕斗side
瑞希がスタジオを出ていった。
あれから一言も交してない。
お互い避け続けている。
謝りたい。
酷い事をした。
こんなピリピリした関係を無くしたい。
別に仲良くならなくていい。
今まで通りになってくれるだけでいい。
それだけで充分……
そう考えていた。
「はぁ、で?裕斗は瑞希と何があったの?」
隼也が振り返り話しかけてくる。
「……なんでもねぇよ。」
「そんなことないでしょ……元々良い訳じゃ無かったけど、それより悪くなってるよ。空気悪いし。瑞希も何か変だし。」
「お前には関係ない。」
「関係無いことないから。グループにも迷惑かけてるの分かってる?」
くそ……嫌な事思い出した。
忘れたいはずなのに……
これも瑞希のせいだ。
「まぁ、どうしても言いたくないなら別にいいよ。けど、俺らもあんな事繰り返したくないって思ってるから。そのことは頭に入れといてね。」
真広と圭も真剣な目で俺の方を見つめた。
「よろしくお願いします!」
瑞希がタイミング良く戻ってきた。
「良くなったみたいだね。」
さっきまでの真剣な表情から優しい表情に戻し隼也が話しかける。
「はい!」