第5章 好きなんだ
裕斗side
俺が瑞希に?
告白?
そんな覚えはない。
確かに気になっていたのは認める。
真っ直ぐな奴で、綺麗な声で……
アイツに似てるからって……
好き?
何かの間違いだ。
俺が人を好きになるなんてない。
しかも似てるだけで……
どちらかと言うと瑞希は苦手だ。
けど目が離せない。
特に素直なところ……
「あ!いたいた!ゆうくん!帰るよー!みんな待ってる!」
「……おぉ……」
なんだ?
さっきから胸が痛む。
瑞希に怒鳴られてから……ズキズキと痛む。
アイツの隣にいたときみたいに。
……恋?
いや……それは無い……はず……
『ファーストキス……だったのに。』
俺はアイツにキスをした上に……
『痛かった』
襲ってしまった……
それが本当かは分からない。
けど、今朝隣で裸で寝ていた。
俺も裸だった。
……事実なのかもしれない。
何故俺はそんな事に……?
酔ってたから?
『ゆうくんは酔うと本性出まくっちゃうからねー(笑)』
以前、圭がそんな事言っていた。
俺は……あいつの事が……?