第12章 パズルピース
瑞希side
曲が終わり、それぞれがコメントを言っていった。
皆涙が止まらず、上手く言葉を発せなかった。
ただ、裕斗君はすぐに切り替え、言葉を一言一言丁寧に話した。
「よし!じゃあ、最後にしとくか!」
「そうだね。」
僕達は円に集まり手をピースサインにして差し出す。
「俺達がー」
真広君のその言葉の後に会場中のファンが
『star piece!』
と叫んだ。
その瞬間にライブの名前が書かれた何百枚ものテープがクラッカー音と共に飛び出した。
それを最後に手を振りながらステージ裏に帰っていった。
僕が最後に帰ってくると、全員がまた泣いていた。
スタッフはそっとしておこうとその場に僕達だけにした。
あの裕斗君も僕に抱きついて泣いていた。
僕も抱き締め返して泣きついた。
終わっちゃった・・・全部・・・
これで僕達はしばらく休止。
会えることも減るんだ。
「・・・お前ら、もう帰ろう。スタッフの人達にも迷惑かけるし。」
真広君の指示で僕達が動く。
そして、帰る準備をし、打ち上げに向かった。
打ち上げはもう皆楽しく思い出話をしながら飲んだり食べたりした。
僕も楽しかった。
「そろそろお開きにするか。・・・お前ら、ありがとうな。また会おう。このメンバーで。」
僕達はそれぞれ笑顔で返事をした。