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星のカケラ【R18】

第12章 パズルピース


瑞希side

ライブは順調に難なく進み、クライマックスが近くなってきた。

寂しいという思いより、楽しい思いの方が大きかった。

「次の曲で最後です。今から歌う曲は自分たちで作詞作曲しました。『サヨナラなんて言わない』」

ゆっくりな曲調が流れ始める。

ボクらの出会いは突然だけど偶然なんかじゃない
これはきっと必然でこうなる運命だった
出会った時は全てが初めて
分からないことが多くて不安だった
でも今ではここまで来れた
それも仲間が隣にいたから

歌いながら、さっきの楽しい思いが寂しい思いへと変わった。
この短い間の思い出が一気に頭の中で再生される。

サビが歌い終わり、個人個人のパートに入る。
僕は1番最後。
裕斗君の後。

ただ君を傷付ける事しか出来なかった
守ると決めたのに出来なかった
それでも君は前を向いて僕のことを許してくれた

裕斗君の歌詞。
ソロパートは自分たちで歌詞を考えている。
でもこの歌詞・・・リハと少し違う。
この歌詞、もしかして僕の事?

次は僕のパートなのに・・・涙がこぼれ落ちてきて上手く歌えない。

「うっ・・・ヒック・・・めい・・・わくばっか・・・がけて・・・足でまといに・・・うぅ・・・」

そんな僕に裕斗君が背中に手を回して摩ってくれた。
その腕があったかくて・・・
嬉しくて・・・
寂しくて・・・

「それでも・・・見てくれていて・・ぐす・・・ありがとう・・・」

その後、すぐにサビに入ったけど、僕は歌えなくて皆が支えてくれた。

いつ会えるか
いつまた一緒に歌えるか
いつまた馬鹿できるか
そんなのは分からないけど
「サヨナラ」なんて言わないからその日まで待ってて
またいつか迎えに行くから

歌い終わりの曲が流れる。
これで終わる。
そう思って涙を拭い前を向いた。
すると、スタッフからのサプライズなのかライトアップで
『おつかれさま』
っと出ていた。

それを見た僕達は全員涙を流した。
そして、後ろの大きいスクリーンには今までの写真が出てきた。
さっき撮ったばかりの写真も。

青山さんが仕組んだんだろう。
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