第12章 パズルピース
瑞希side
明日がいよいよ最後。
新曲も当日発表。
真広君が約束してくれた様に裕斗君と2人きりにしてくれた。
ちゃんと話さないと。
裕斗君の部屋のドアを3回ノックする。
「裕斗君…入っていい?」
「おぉ。」
部屋に入ると、裕斗君は窓を開けて外を眺めていた。
お酒を飲んでいる。
飲まない約束したけど、流石に今日は飲みたくなるよね。
「どうした?」
「ちょっと話したいなって。」
「…そうだな。俺も暇してたし、少し話すか。」
床に正座する。
「…?ここ座れよ。」
裕斗君はベッドの上でお酒を飲んで窓側に座り、指で隣をトントンと指した。
裕斗君の隣に渋々座る。
何から話そう。
「か、風…気持ちいいね…」
「まぁ…だから当たってんだけどな。」
「そ、そうだよね…明日さ、緊張するね…」
「そうだな。」
会話が続かない。
「…俺…やっぱお前の事まだ好きだな。」
「えっ?」
今まで顔を見合わすのが気まずかったから反らしていたけど、その言葉に驚いて振り向くと裕斗君はすぐ近くまで顔を近づけていた。
そして…
「んっ////」
キスをした。
久しぶりで何も考えれなかった。
「別れようとか言っておきながら…何やってんだろ…」
「…やり直さない?」
「それは無理だ。無期間休止するんだ。その理由の1つとして、体を休める。だから、俺らの関係も距離を置く必要がある。」
「そっか…」
「けど…」
裕斗君は僕を押し倒し、再びキスをした。
「…これで最後…これで俺も…区切りが着く。」
「…酔ってる?」
「…さぁ…どうだろうな。まぁ、そういうことにしとくか。」