第12章 パズルピース
瑞希side
「裕斗君?何言って…悪いのは僕…」
「これ以上、メンバーが苦しむのは見たくない。また繰り返したくない。」
「裕斗君…」
入江さんはただ何も言わず目を瞑ったまま口元に手を当てていた。
しばらくの沈黙。
「他は?それで納得しているのか?」
僕以外の全員は口を揃えて「はい…」と呟いた。
「…君たちの考えはよくわかった。できれば君たちの意見を尊重したい。けどな…別に解散しなくてもいいと俺は思う。」
その場にいた全員が「えっ」と言う顔をした。
「無期間休止…というのはどうかな?」
無期間休止?
「君たちは本当に解散して後悔しない?俺には君たちが納得してない気がする。勘違いかもしれないけど。」
そうなの?
そう思い、周りを見渡すと皆図星を突かれたような表情をしていた。
裕斗君でさえも…
入江さんは全てを悟ったように優しく微笑んだ。
「今回は本人達の身体が環境に付いて行けなくなり無期間休止っという理由で発表することにしよう。」
全員が納得したような表情になった。
僕は申し訳ない気待ちばかりだったけど、これが一番いい結果だと思う。
「瑞希、自分を責めないでくれ。お前だけが悪いんじゃない。お前の気持ちに気づかなかった俺らも悪いんだ。」
隼也君が背中に手を当て優しく話しかけてくれた。
「ありがとうございます。」
その言葉に少し安心した。
次の日、事務所が僕たちstar pieceの無期間休止を発表した。
最後に来月に休止前コンサートを行うことにした。