第2章 NEW START!
「そう言えば!瑞希の歌声聴いてないね!何か歌ってみてよ!」
「え?!」
圭さん!?そんな急に!
「あー確かに(笑)」
「よし、瑞希!歌え!」
「えー……」
歌うって……何を歌えば……
StarPieceの歌しかほとんど知らないし……
「じゃ、じゃあ……ダンスの練習もやったんで『Start』歌います……」
「お!いいね!」
もうダメ出しされてもいい!
息を吸って歌い出す。
『ここから始まる僕らのストーリー 一人一人がPieceとなって 駆け出すStart』
恥ずかしい……本人に聴かれるとか……
絶対ダメ出しされる。
「……どうでしたか?」
3人とも何も言わない……
そんなに悪かったのかな?
「み、瑞希……お前……」
「はい……」
「小さい頃何かやってたのか?」
「いえ、特には……」
「ほんと!?え、すっごい上手いんだけど!」
「え……」
「もしかしたら、俺たちより上手いんじゃねぇの?」
真広さんは少し焦ってるように見えた。
「まじかよ……なんか悔しいね。」
「じゃあさ、瑞希は歌詞覚えるだけで大丈夫なんじゃない?これだけ歌えるんだからさ。」
「あ、えーと……僕、歌全部歌えます……歌詞も分かります。」
「え?!まじで?!」
「なにそれー、なんかつまんないのー」
「圭さん……つまんないって何ですか……何か傷つきます。」
「じゃあ、瑞希はダンスだけかー……」
「っ!ちょっと待って!」
隼也さんが何か思い出したみたい。
なんだろ。
「ライブの始まりの映像……撮り直さないとじゃない?!早めに撮らないと編集も入るし!映像もどんな風にするか考えないと!」
あ!そうだよ!
StarPieceのライブは始まりの時に映像が流れる。
今考えたら4人しかいないんだ!
僕入ってない!
「よし、分かった!俺明日考えてくるよ!そして、明日リハして、撮影までいけたらやろう!無理だったら次の日!プロデューサーと連絡してみる!」
「でも、まーくんいいの?一人じゃ大変でしょ?」
「大丈夫。だいたい、俺の役割だから。何となくイメージはしてる。任せとけ。」
「そっか……」
そう言えば、映像関係は真広さんが担当だったな。
その後、僕たちは解散することになったけど、僕はダンスの練習をしたかったから残ることにした。