第11章 翔太
目が覚めると、隣に寝ているはずの瑞希が居なかった。
朝から仕事だと言っていた。
上半身裸の状態で起き上がり、シャワーを浴びようと部屋を出る。
昨日の瑞希はいつもと違った。
してる最中も何か考え事をしているようであまり気持ちよさそうではなかった。
久しぶりに身体を触ったが、前より痩せている気がした。
仕事も忙しくなってきて、さらには受験生となれば、休む時間は無くなる。
昨日は俺が無理言ってしてくれた。
今思えばもう少し我慢すべきだったと思う。
睡眠時間だって減ってきているのに。
瑞希は仕事が終わった後に急いでライブ会場に向かうと言っていた。
全国ツアー終了まであと少し。
それが終われば少しは休めるだろう。