第11章 翔太
最近、夢を見る。
『裕斗!ほら!見てみろよ!』
笑顔で楽しそうに話す少年。
よく見ると自分も若くなっている。
高校生くらいだろうか。
『裕斗?何つったんてんだ?』
「あー、ごめん。」
翔太。
幼い頃からの親友でもう何年も一緒にいる。
翔太に呼ばれて、ベランダに出てみる。
指差していたのは星空。
何万もの星が光り輝いて、夜の街を僅かに明るく照らしている。
『綺麗だな。』
「そうだな。」
『もー!本当にそう思ってんのかよ!』
「思ってる。」
『だったらもう少し顔変えろよ!……裕斗って本当に何考えているか分かんない。』
この言葉何処かで聞いたことがある。
場所が変わり、辺りは真っ暗。
何処だ?ここ。
『……うと……』
?
『裕斗。俺……もう無理かも……。』
「何言ってるんだ?」
『裕斗……ごめん。バイバイ。』
「!?翔太!? 」
翔太の姿が無くなる。
振り向くと誰かが首を吊っていた。
恐る恐る顔を確認すると、翔太だった。
「翔太!!」
どうして……どうしてこうなった……
頭を抱えそう考えごとをしていると、後ろから声がした。
『僕、やります!アイドルやります!』
瑞希だった。
夢はいつもここで終わる。