第10章 忍び寄る影
「それじゃあ、リハ行くか。」
「おっけー」
握手会が終わり、ライブのリハーサルに行こうと真広君が声をかけた。
明日からいよいよライブツアーが始まる。
大輝はライブのチケットが当たったらしい。
「あ、すみません。僕今から収録で……」
「……あー、そうだったね。レギュラー番組が決まったって聞いたよ。頑張って。」
隼也君が笑顔で言ってくれた。
僕もつられて笑顔になる。
「はい!終ったら、リハーサルに来ますね。」
「じゃあ、俺らどうする?瑞希がいなかったらリハできねーし……」
「練習でもしてよっか。」
「そうだねー。」
僕は「行ってきます」と手を振ってその場を離れた。
レギュラー番組が決まったのは嬉しいけど、ライブツアー中も収録あるから毎回飛行機でこっちに戻ってこないと行けないんだよね……
正直きつい。
でも……やらなきゃ……
頑張れ、自分!
ファンの人達の笑顔を見るため!
そう思えると、どれだけでも頑張れた。