第9章 僕の好きな人は……
瑞希side
どのくらい時間が経っただろ。
僕の体はもう動かなかった。
腰の痛みも酷く、お腹も少し膨れてる。
「あっ……はぁ……はぁ……ぐすん……」
「……瑞希君さ、裕斗君と付き合ってるんでしょ?」
尚哉君の口からとんでもない言葉が聞こえた。
「世間にバレたら不味いんじゃない?」
「……おねがい……します……誰にも……言わないでください……」
僕は裸のままベッドの上にうつ伏せ状態になり、尚哉君はその端の方に座っていた。
「うーん……じゃあ、取引しようか。」
尚哉君が怪しげに笑いかけてきた。
「……俺と付き合ってくれたら、この事は誰にも言わないよ。」
「そ、そんなの……」
いい訳がない。
でも、このままじゃバラされる。
僕達StarPieceが無くなっちゃうかもしれない。
そんなのやだ。
だったら……
「わ……わかりま……」
ピンポーン
タイミング良くチャイムがなった。
「はぁ……誰?」
インターホンを尚哉君がつけると、そこには裕斗君がいた。
「五十嵐……瑞希を返せ。」
「……とりあえず入りなよ。」
尚哉君が裕斗君を中に入れた。