第9章 僕の好きな人は……
瑞希side
「今日もありがとうございます。わざわざ家まで……」
「いいよ。夜道は危ないからね(笑)」
「僕男です(笑)」
「男でも危ないよ。瑞希君は可愛いから。」
「あはは……」
苦笑いをしてしまった。
可愛いって……
カッコイイって言われたい……
「それじゃ、失礼します。」
車から降り、玄関に向かう途中で尚哉君に呼び止められた。
「……はい?」
尚哉君も車から降りてきた。
そして、強く抱きしめられた。
「あ……」
ビックリしすぎて声が変な感じに出た。
僕は身長が低く、尚哉君は膝を曲げ屈む形になってる。
「尚哉君?」
「……俺さ……瑞希君の事好きになっちゃった。」
耳を疑った。
今告白された?
その瞬間、後ろの玄関が開く音がした。
「恋人がいるっていうのは知ってる……でもさ、今距離置いてるんだよね?……だったら、俺と付き合ってくれないかな?」
「えっと……////」
後ろから腕を掴まれ、引かれた。
「……送ってくださりありがとうございます。うちの瑞希がお世話になりました。」
「っ!裕斗……くん……」
タイミング悪い……
でも、全然腕が痛くない。
いつも力入りすぎてるのに。
「……いえいえ。じゃ、瑞希君。……いつでも返事待つから。裕斗君は明日ね。」
そう言って車で行ってしまった。
「……家、入れ。」
「は、はい。」
怒ってる……完全に怒ってる!
「ゆ、裕斗君は何で外に?」
「近くのコンビニに行こうと思って。そしたらお前らが居たから。……で?付き合うのか?」
「え!?いや……それは……////」
「……あんまり返事長引かせねぇ方がいい。」
「わ、分かってます。」
何で付き合って欲しくないって言わないんだろう。
……どうでもいいのかな……
僕の事……
もう別れたみたいな感じだもんね。