第9章 僕の好きな人は……
瑞希side
「あ、それで何の話……」
「瑞希君、五十嵐さん、撮影入りまーす!」
尋ねようとしてスタッフさんに呼ばれた。
「後でね。行こうか。」
「あ、はい。」
五十嵐さんについて行く。
告白シーンからだったよね。
懐かしいな……ドラマの台本読みの時、裕斗君に手伝って貰ったっけ?
何だろ……演技なのに、本当に告白してるみたいで緊張する。
目の前には五十嵐さんがいるはずなのに裕斗君が重なる。
裕斗君……好きだよ。
でも……どうしたらいいか分からない。
「カット!!OK!」
「一旦休憩入りまーす!」
本番1発合格!!
よかったぁ!!
あの緊張感には流石に耐えられなかった。
「瑞希君すごいね!!本当に告白されてる気分だった!」
「あ、ありがとうございます////」
裕斗君思い描いて演技したなんて言えない。
「えっと……次は……」
「ベッドシーンだよ(笑)」
「そうでしたっけ!?わぁぁ!緊張する!!」
てか、ベッドシーンどうしたらいいか分かんないよ!
その前にはキスまでしなくちゃいけないのに……
確か内容は……
R指定サスペンス映画で……
五十嵐さんが先生役で僕が生徒役……
告白された相手が我慢できなくって、ホテル行って……
って感じだった様な……
「瑞希君はされるままでいてよ。俺が引っ張るから。」
「え!?////」
「だって、俺の台本に『野心剥き出しって感じで』って書いてあるから、瑞希君は抵抗できないってことでしょ?だったら俺に任せたままでいいから。」
「あ……はい////」
よく考えたら今してる話って結構恥ずかしい。