第9章 僕の好きな人は……
瑞希side
「裕斗君が僕の部屋に入ってきて倒れてきたんです。凄く酔ってるみたいで……」
「もぉまたぁ!?裕君部屋違うって!」
圭君が裕斗君を引きずりながら部屋に運ぶ。
その後を隼也君が溜息をつきながら裕斗君の荷物を持ってついて行った。
裕斗君は凄く不機嫌そう……
さっきキス拒んだからだ……
怖い……
真広君が僕のベッドに座りながら溜息をつく。
「真広君、ごめんなさい。寝てたのに起こしちゃって。」
「いいよ。悪いのはアイツだから。俺も眠れかっただけだし。」
「そうですか……」
「ほんとにごめんな。裕斗、酒癖悪くて。部屋に入って来るのもこれで何回目かよって感じだよな。」
「あはは……大丈夫ですよ。慣れてきたんで。」
「なぁ、瑞希。お前さ……裕斗と何かあった?」
へ?
バレてる?
いやいや……そんな訳……
「どうしてですか?」
「……隼也が変な事言ってきたから。普段俺らに対して敬語使うのに裕斗にはタメ口使ってたって言ってきて……それに、最近妙に距離が近い気がするんだよ。あんなに裕斗とは距離あったのに、2人の部屋から出てくるのよく見かけるし。だから。」
「……なんも……ないです。メンバーだから、仲がいいのは普通だと思うんですけど……不快にさせてるならすみません。」
「いや、俺らの勘違いならいいんだ。そうだな、普通だよな。たぶん、隼也の聞き間違いだろうし……心配しすぎかもな。……まぁ、一応言っとくが……俺らはアイドル……という事を忘れるなよ。」
真広君のその言葉が凄く重く感じて心臓がきゅうっと苦しくなった。
分かってる……分かってるけど……
「……はい。」
「ま、信じてるけどな!ちゃんと寝ろよ。くまが酷いぞ。」
「あ……」
心配してくれた。
よく見てるな……
「おやすみ。」
「おやすみなさい。」