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星のカケラ【R18】

第9章 僕の好きな人は……


裕斗side

「お疲れ様でーす。」

「裕斗君♪」

五十嵐尚哉が後ろから抱きついてきた。

「なんですか?……気持ち悪いから離れてください。」

「えー……酷いなぁ……」

嫌々離れながら俺に向き直る。

「今日ご飯行こう!昨日は駄目だったけど今日はいいでしょ?」

昨日の瑞希の言葉を思い出した。

「……分かりました。1時間だけ。」

「うっし!」


近くの居酒屋に来た。
2人だけかと思ってたが、他の共演者も来た。
大人数は苦手だな……

「あれ?裕斗君飲んでないね。」

「禁酒してるんで。」

瑞希に酒は飲むなと止められた。
酔うと本音が出てしまうためだろう。
思わずポロっと瑞希との事を話してしまったら終わりだ。

「えー、つまんないの……」

「ずっと気になってたんですけど、その『つまらない』ってなんですか……」

「面白く無いってこと。裕斗君さ、全然ノってくれないじゃん。」

めんどくさ。

「けど、瑞希君との映画撮影は楽しみだなぁ。」

「っ!?」

「ん?なに?」

「い、いえ……」

前にドラマを見ながら『この五十嵐尚哉って俳優さんカッコイイですね!』って隼也と話してた。

「あー!そっか!同じグループだもんね!」

「はい。」

「瀬田瑞希くん……いい子だよねー。高校生なのに頑張るよね。俺は無理だな。」

「……どんな役なんですか?」

「恋人同士。」

「ブーっ!!」

驚いてお茶を吹き出してしまった。

「わぁ!!(笑)」

恋人同士……って……
嘘だろ……
それって……

「キスシーンがあるんだ!それにね、ベッドシーンも!あんな可愛い子を押し倒すとか……出来ないよぉ(笑)」

「……へー……そうなんですね。」

どんな映画だよ。
てか、瑞希が……コイツと……
演技だと分かっててもムシャクシャする。

「瑞希君、生で見ると破壊力強そうだなぁ。絶対顔小さくて可愛い!」

瑞希は確かに顔が小さくて可愛い。
けど身長も小さいんだよ。
お前より俺の方が瑞希の事何でも知ってるんだよ。
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