第9章 僕の好きな人は……
瑞希side
僕はもうすぐ3年生になろうとしていた。
受験生。
進路先も決めて行かなきゃいけない。
と言っても仕事ばっかで受験生という実感が湧かない。
学校も行けてないし。
正直、ちゃんと授業についていけてるかも不安。
「瑞希、ドラム上手くなったな!」
「ほんと!?」
大輝にずっとドラムを教えてもらっていた。
ダンスと歌は帰ってから皆であわせている。
確か明日が演奏合わせるんだっけ?
圭君がベースで真広君がギターで隼也君がキーボードで裕斗君はメインボーカル。
僕もボーカルが良かった……
一応、自分のパートは各自歌うらしいけど……
「次のライブはいつなんだ?」
「えっと……夏に九州の方から上がって行くから……こっちは8月頃かな。」
「了解。」
「大輝来てくれるの?」
「当たり前だろ。ファンだし。それまでに金貯めねぇとな。」
「……大輝はさ、進路先どうするの?やっぱり大学だよね?」
「うーん、そう思ってたんだけど……バンドしたいなぁって。」
「バンド!?」
「ドラム楽しくてさ。最近、毎日叩いてんだよ。」
「……いいと思う!!大輝ドラム上手いし!向いてるよ!!絶対売れるし!!」
「一応、文化祭のメンバーで今度オーディション受けに行くつもり。」
「そっか……」
大輝も将来の夢があるんだ。
凄いな……
「僕、応援するよ!大輝のファン1号になる!!」
「ありがとうな。」
僕も進路先決めないと……