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星のカケラ【R18】

第8章 恋人らしい事


力が入らない……
体が震えてるのが自分でもわかった。

もう……駄目だ……
逃げられない……
大輝の事信じてたのに……

「……親友だって……思ってたのに……ぐすっ……」

ずっと好きだったなんて……
知らなかった……

「……瑞希……」

一瞬、大輝の力が緩んだ。
少しだけ、手が自由になったのが分かった。
その隙に大輝を殴り飛ばし服を持ち急いで逃げ出した。

今まで人を殴ったことなんて1度もなかった。
初めてだ。
凄く痛かった。
きっと大輝はそれ以上に痛かったと思う。
でもああするしかなかった。

僕は家まで走って帰った。
かなりの距離を走って息が上がっていた。
けど、そんな事より大輝の事がショックで頭がいっぱいだった。

家に着いて玄関を開けようと鍵を探す。
無い……忘れてきてしまった。
まだ誰も帰ってきてないみたいだし。

もうどうしていいか分からなくなって、扉に背を向け座り込んだ。
疲れているのもあって、涙が止まらなかった。

「うぅ……もう……やだ……ぐすっ……」

「瑞希!?」

「っ!」

裕斗君が帰ってきた。

「どうしたんだ?!何があった!?」

「……裕斗君……ぐすっ……」

僕の今の格好を見て分かったのか、心配の顔から怒りの顔に変わった。
僕は今、上半身は上着だけ来た状態だ。
中は裸。

裕斗君は何も言わずに鍵を開け、僕を抱えあげ部屋に向かった。

「ちょ……裕斗君!降ろして!!」

裕斗君の部屋に着くと僕をベッドに投げ部屋の鍵を締めた。
そして、上着を脱ぎながら僕に近付く。

「……だから言っただろ……」

今まで以上に怖い。
かなり怒ってる……

「ゆ、裕斗君……ごめ……」

謝っても裕斗君の顔色は変わらなかった。
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