第8章 恋人らしい事
ドラムの練習を終え、大輝の部屋に戻ってきた。
携帯を覗くと、裕斗君からメールが来ていた。
時刻は午後6時を過ぎている。
『ごめん、仕事が長引きそうだから約束はまた今度にする。』
やっぱりね。
この業界だからそんなに都合よくいかないよ。
裕斗君に返信して、大輝のベッドに倒れ込む。
「それ、俺のベッド。」
「いいじゃん。お泊まりとかしてよく一緒に寝てたし。このベッドで。はぁ……疲れたぁ……」
「飯食っていくか?今日、親遅いし。俺が何か作るけど。」
「うーん……いいや。お腹すいてないし。チョコも食べすぎたから……」
「そっか……もう帰るか?」
「……少し寝ていい?もう動けないや。」
「いいけど……俺、下で飯食ってくるから。」
「はいよー。」
本当に恋人同士みたい。
裕斗君ともいつかはこうやって過ごしたいな……
そんな事を思いながら僕は静かに眠りについた。