第8章 恋人らしい事
僕はあっという間にチョコレートを食べてしまった。
「お前……本当太らねぇよな。」
「そう?まぁ、最近はダンスしてるし……あ!そうだ!」
「何だ?」
ダンスで思い出した!!
「大輝!ドラム教えてくれない?大輝得意だったよね?」
「?いいけど……何で?」
「いやーちょっとね……よかったぁ……」
「俺でいいのか?」
「大輝しかいないもん……それに、文化祭でバンド組んでたよね?あの時の大輝かっこよくてさ。憧れちゃった!」
「な、なるほどな////」
本当にあのときは大輝に惚れちゃった。
何人かファンもいるらしいし。
次の文化祭も出るって言ってたから盛りあがるんだろうな……
「何なら今から少し教えてやろうか?」
「いいの?」
「まだ、2時だしな。」
「じゃあ、お願いしようかな。」
僕達は大輝の家の近くにある、音楽スタジオに向かった。
大輝のお母さんがピアノの先生でここを経営してるとか。
大輝は時々、ストレス発散でドラム叩いてるらしい。
「じゃあ、まずは叩いてみろ。それから足りない部分を教えてやる。」
「うん!」
真広君が言ってた曲を練習することにした。
CDもあるからそれに合わせればいいと思うんだけど。
大きく息を吐き呼吸を整える。
数年ぶりのドラム……
不安だけど、大輝がいるから何か自信が付いてきた。