第8章 恋人らしい事
「お邪魔しまーす。」
「先に俺の部屋に行っててくれ。」
「はーい。」
仕事が終わってそのまま大輝の家に来た。
映画の撮影の打ち合わせが思ってたより遅くなってしまった。
今日、台本を貰ってどんな役柄なのかも聞いた。
「お待たせ。……ん?何か元気ないな。」
「あー……顔に出てた?」
「うん。何があったんだ?」
「……それがさ……今回の映画の役柄さ……僕、同性愛者の役なんだよね……台本にも一応目を通したけど……ベッドシーンとかあって……」
「まじか(笑)」
別に嫌って訳じゃない。
実際に裕斗君と付き合ってるし……
ただ……どういう感じにすればいいのかな……
ベッドシーンとか……
考えてるだけで恥ずかしくなってきた。
ハッキリと姿は写さず影だけとは聞いたけど……声は撮るんだよね……
「R指定の映画だった。」
「15?」
「うん。」
「なら俺見れるわ(笑)」
「だめ!絶対見ないでよ!?////」
「は?ファンなら見るのが当たり前だろ?」
「う……何で僕がこの役なんだろう?」
「原作とあってるからじゃねぇの?」
そう言えば、監督が僕を大抜擢したとか言ってた。
今回の共演者の俳優さんも僕が良いって勧めたらしい。
嬉しい事だろうけど……複雑だなぁ。
「まぁ、頑張れよ!お前、演技上手いし!」
「上手くないよ……全部裕斗君のおかげだし……」
とにかく!
映画撮影完璧にしなきゃ!
今日から早速台本読みしよう!