第8章 恋人らしい事
ダンス練習を終えて、明日の教科の勉強を進める。
数学と英語……
英語の文法って難しい……
「瑞希、入っていいか?」
「あ、はい!」
裕斗くんの声だ。
ゆっくりと扉を開け、裕斗くんが入ってくる。
「聞いたぞ。お前、ドラム出来るんだってな。その見た目からは全く想像できないが。」
「っ!それは僕でもそう思うよ!////」
「まぁ、ギャップ萌えってやつでファンはいいかもな。頑張れよ。」
「……うん……」
って言っても……もう何年も触ってない……
また従兄弟に習うかな?
あ!そう言えば!
大輝もドラムできるって言ってた!!
大輝に相談してみよう!
「なぁ、瑞希。」
「なに?」
「テスト明けの次の日……予定空けててくれねぇか? 」
「へ?なんで?」
あれ?大輝も言ってた。
「裕斗くん仕事じゃ……」
「早く終わらせて帰ってくる。その後、一緒に過ごしたくって。」
「えっと……ごめんなさい。その日は……」
「仕事か?午前中だったはずだろ?」
「ううん……友達と約束が……」
「……あの親友か?」
「うん……」
「……断れ。」
「は?」
裕斗くん何言ってんの?
すっごい怒ってるし……
「断れって言ってんだ。アイツは駄目だ。」
「……いや、でも親友だし……もしかしてまだ大輝が僕をそんな目で見てるとか言うの?それは無いって。」
「……お前がそう思うだけで相手は違うんだよ。とにかく断れ。」
あ……扉閉めて行っちゃった……
……違うって言ってるのに……
やっぱり裕斗くんって結構嫉妬深いのかな。
だからと言って大輝との約束は断れない。
親友だし。
それに、裕斗くん、仕事早く終わらせるとか言ってたけどそんな簡単に行かないでしょ……