第8章 恋人らしい事
「そう言えば映画の打ち合わせって言ってたな。何の役?」
「え、知らない。」
「は?!いや、内容聞いてから話進めていくんじゃないのか?!」
「まぁ、普通はそうなんだろうけど……僕はどんな役でも挑戦したいから即OKしちゃった。」
「けど、一応確認しとけよ……お前ってほんとにほっとけないよな。危なかっしいって言うか、何ていうか。どんどん弟みたいに思えて来る。」
僕達はテスト1日目が終わり途中まで一緒に帰っていた。
僕の帰る家は遠くなったのにそれでも大輝は「時間がなかなか作れないから」って言って遠回りしてくれる。
「ここまででいいよ。ありがと。」
「おう。明日も頑張ろうな!」
大輝が手を振りながら帰っていく。
僕も大輝が見えなくなるまで見送り、家に帰る。
家に帰ったら、昼ご飯食べてダンス練習しないと。
「ただいまー。」
「お、瑞希!おかえり!テストどうだったか?」
真広君が階段を降りながら話しかけてくる。
「まぁ、いつも通りって感じです。そんなに難しい所は無かったですし。」
「そっか。お疲れ。この後昼飯食べてダンス練習するんだろ?」
「はい。」
「1つ聞いておきたいんだけど。瑞希って何か楽器弾けるか?」
真広君が資料を見ながら尋ねてくる。
「楽器ですか?……うーん、得意では無いですけど前に従兄弟からドラム教えてもらいました。」
「ドラム!?いいね!よし、じゃ決定!」
「え!?決定って何がですか?!」
「今度のライブは生演奏入れようと考えててさ。」
「え!てことは僕ドラムですか!?無理ですよ!」
「大丈夫!まだ期間あるから!」
期間があっても生演奏は……それにドラムって……
僕が間違えたら全員が……
「じゃ、よろしく!」
「無茶ですよ……」
でも、変えてもらえそうにないし……
練習しよ……