第8章 恋人らしい事
裕斗くん凄く怒ってた……
怖かった……
「瑞希。」
「はい!?」ビクゥ!!
裕斗くんが扉の前に立っていた。
ゆっくりと近付いてくる。
僕も同じ歩幅で後ずさる。
けどもう後ろは行き止まり。
かかとが机の前にある椅子に当たる。
もう逃げ場がないよぉ……
ドン!
裕斗くんが僕の後ろの机に手を叩きつけ、顔を近づける。
僕はそれを体を少し後ろに仰け反らせて目を合わせないようにした。
「誰?今の……」
「た、ただの親友だよ……」
「じゃあ何で抱きついたりしてたの?」
「それは……会えたのが少し嬉しくて……な、何怒ってんの?」
「……好きなの?」
「違うよ!?勘違いしないで!?」
「じゃあ何で?」
「だから親友だって……大輝に恋愛感情なんて抱いてないし、僕には裕斗くんしかいないって前にも言った……」
裕斗くん、もしかして嫉妬してる?
「……そう……ならいい。」
良かった……信じてもらえた……
「でも、次はあんな事しないで。」
「ん!?////」
キス……された……
いや、朝もしたけど……良く考えたら少し恥ずかしい。
「あと、さっきの……大輝、だったか?アイツはおそらくお前と違う感情抱いてるぞ。気をつけろ。」
へ?
どういう事?
もしかして大輝が……?
いやいや!それは無い!
10年以上付き合ってきてそんな素振りなかったし……
裕斗くん考え過ぎだよ……
と言うか裕斗くんって結構嫉妬深くて、独占欲強い?
僕、大丈夫かな……