第8章 恋人らしい事
「はーい、どちら様で……って大輝!?」
「よぉ(笑)」
玄関の扉を開けるとそこに居たのは大輝だった。
「どうしたの?」
「これ、来週のテスト範囲。先生に頼まれたから持ってきたんだよ。」
「そっか!来週テストだ!大輝ありがとう!助かったー」
「元気そうだな。最近テレビで見ねぇ事がないから心配してたんだよ。」
「うぅ……大輝ぃ〜!」
僕は大輝と久しぶりに会えて嬉しくなり抱きついてしまった。
大輝はお兄ちゃんみたいで大好き。
「うぅ……瑞希……苦しいから……離して……」
「はっ!ごめん!」
思わず力を入れ過ぎてしまった。
うっ……何か後ろがすっごく怖い。
「じゃあな。体は大事にしろよ。何かあれば連絡していいからな。」
「うん!ありがとう!ばいばい!」
僕は大輝が見えなくなるまで見送り、玄関を閉めた。
最近学校行けてなかったからな……
来週は行けるかな。
僕は大輝から受け取った手紙を部屋に持って行くため戻ろうと後ろを振り向いた。
そこにはすごい形相をした裕斗くんが立っていた。
怖っ……
僕はそんな裕斗くんの横を黙って通り部屋に戻った。