第8章 船出の時
「じゃあ、わたしは何の為にあなたについて行けばいいのですか?」
ローの目的が見えず、何を考えているのかわからない
だが、真剣なをよそにローはこう答えた
「…それをこれから考える。」
またこちらの想像を超える言葉
淡々として掴めない不思議な人
「ローさん、わたしもあなたに少し興味が湧きました。」
毎日が不安だった
エースに貰った生きる希望も忘れそうになる日々…
「生意気な女だ。」
生意気な女…確かにそうかも知れない
わたしはわたしを隠して生きて来たのだから
はまっすぐローを見た
その表情に先程の弱々しさは感じられない
今のはローが初めてに出会ったあの瞬間と同じ顔をしていた
「俺が知りたいなら俺と来い。」
ローはの隠し持つ闇に、誰にも見せないよう秘めていた己の闇を重ねていた
いつも物足りない…力や地域を手に入れるほど強まる孤独…
自分を取り巻く環境を全て壊しめちゃくちゃにしたくなる衝動
仲間にさえ見せる事のない裏の自分が時折恐ろしく感じた
しかし、に出会い何故か無性に惹かれて
がいればその全ての欲求を満たす事が出来るかも知れないと思った
「……はい。」
少し前を歩くローについて行く#NAME
互いに秘める心の闇
その闇に惹かれ合うのは必然だったのかもしれない